
こんにちはYuichiroです。
最近よく耳にする「ChatGPT」。質問を入力すれば英語の文章や日本語の説明もあっという間に出してくれます。
ではChatGPTに「英検3級の英語作文」を書かせたら、どのくらいすごい答えが返ってくるでしょうか?
今回は実際の英検問題を使って、AIと人間の英作文を比較してみました。すると、使えるけど注意が必要な点がいくつも見えてきました。英語学習とAIの関係、そしてこれからの学び方について、塾講師の目線からお伝えします。
ChatGPTと英語学習の関係
近年、教育の現場でも耳にする機会が増えた「ChatGPT」。これは、質問や指示に対して自然な文章で答えてくれるAI(人工知能)です。たとえば「英検3級の英作文を書いて」と頼むと、数秒でそれらしい英語の文章が出てきます。
一見すると、「これさえあれば英語の勉強いらないのでは?」と思ってしまうかもしれません。しかし、実際には ChatGPTはあくまで「道具」に過ぎません。使い方を誤ると、学習効果が下がってしまうこともあるのです。
たとえば、子どもが英作文の宿題に困っているとき、ChatGPTに答えを出してもらえば一瞬で解決します。けれどそれは、「自分で考える力」や「伝える力」を育てるチャンスを逃していることにもなります。
一方で、使い方を工夫すれば、英語学習を深めるサポート役として非常に優秀なツールにもなります。たとえば、次のような使い方なら主体的な学びを後押ししてくれます。
ポイント
- 自分が書いた英作文とChatGPTの答えを比べて改善点を見つける
- 語彙の言い換えや文法の確認に使う
つまり、AI時代の英語学習では「AIに任せる」か「AIを使いこなす」かが、大きな分かれ道になってくるのです。
ChatGPTに英検3級の英作文を書かせてみた
「ChatGPTって、英検の英作文も解けるの?」
そう思った方も多いかもしれません。実際、AIがどのくらいの英語力を持っているのか、気になるところですよね。
今回は、実際の英検3級のライティング問題を使って、ChatGPTに実際に英作文を作ってもらいました。その内容を「文法」「表現」「中学生との違い」の観点から分析しながら、AI活用のヒントも探ってみます。
実際の英検3級の問題
質問外国人の友達から次のquestion をされました。questionについて、あなたの考えとその理由を2つ英文で書きなさい。語数の目安は25語〜35語です。
Question : What subject is more interesting for you, English or math?
※プロンプトには「解答するのは中学1年生」と入力しました。
ChatGPTが答えた英作文
I think English is more interesting because I can talk with people from different countries. Also, I enjoy learning new words and expressions every day.
- 質問に対して明確に答え、理由も2つ入っていて条件を満たしている
- 文法や語彙についても中学校英語の範囲で理解できるレベルだが、ややレベルが高め
実際に中学1年生が書いた英作文
I think English is more interesting. People all over the world use English, so it is important. We can talk with a lot of people by using English.
- 教科書に出てくる語彙や文法のみを使用している
- 条件を満たしたうえで、合格条件に満たすシンプルな英作文を書いている
中学生の解答例との違いは?
ChatGPTの英作文は文法や構成が正確で、大人が書いたような自然な英文です。一方、中1レベルの英作文は語彙が限られ、文も短くなりますが、「自分で書いた」感が伝わり、小学生の英検受検者や中学1、2年生が現実的に書くことができる内容です。
どちらが正解というわけではなく、大切なのは自分の言葉で伝えること。AIの文章は参考になりますが、そのまま写すのではなく学習のヒントとして活用することでより学習効果が高くなると言えます。
AIの英作文は整っていて正確ですが、子どもが自分の言葉で書いた英文には、その子の経験や気持ちが表れます。
今の英語教育では「正しさ」だけでなく「伝える力」が問われます。だからこそ、多少不完全でも自分で書く経験こそが、これからの学力につながります。
AIとどう向き合えばよいか
近年、ChatGPTのようなAIが注目を集め、英作文の練習にも活用され始めています。AIは正確で自然な英文を瞬時に提示してくれます。しかし、英検において本当に求められるのは、「自分の考えを、自分の言葉で表現する力」です。
AIの文章をそのまま写すのではなく、「どうしてこの表現を使っているのか」「自分ならどう言い換えるか」と考えながら活用することが大切です。AIはあくまで学びの“道具”です。上手に使いこなすことで、自分自身の英語力を深めるきっかけになります。
英検を目指す皆さんには、AIに頼るのではなく、AIと“対話”しながら学ぶ姿勢を持ってほしいと願っています。
まとめ
これからの時代、求められるのは「正しく書ける力」だけでなく「自分の考えを伝える力」です。そしてそれをサポートしてくれる「AIを使いこなす力」も重要な能力となっていきます。AIは便利な道具ですが、使い方を間違えれば、学びを止めてしまうことにもなりかねません。
大切なのは、「自分の頭で考え、自分の言葉で表現する」ことです。そしてAIを上手に有効に活用しながら、自分らしい英語力を育てていくことが大切です。